『風都探偵』観劇記録
1/5マチネ観劇。
感想は早いうちに書けって白亜紀から言われてるから…
仮面ライダーWは見てて風都探偵は漫画1巻のみの状態でキャストもほぼ知らんまま観劇。なんだかんだ初2.5次元。
去年の5月ぶりのサンシャイン劇場。あの時は一桁列で見てたけど今回みたいな後方席も全景が見れて良かったです。
すっっっっごいちゃんとそこに風都探偵の世界が描かれててびっくりした。再現度の鬼。
基本的に漫画やアニメ原作の舞台って、完結してないとどこまで舞台化するとかどのラインまで寄せるかとかそこら辺の線引きあると思ってて、大丈夫なのかと不安を抱えながら見たけど全然杞憂だった。
今回は1巻の内容だけで、終わり方もボリュームもすごい丁度良かったです。あとプロジェクションマッピングとかスクリーンで上手く立体と平面を使い分けてて、難しいだろうなぁと思っていた表現もしっかり再現されててすごかったの感想しか出てこない。
キャストさんも、なんというか本物の左翔太郎やフィリップ達だ…と思わせてくれるような違和感のない演技だった。マジで2次元から飛び出してきてた。比喩じゃなく本当に脚5mくらいあった。
刃野さんはオリキャスままなので安定感の塊だったしオリキャスだからこそのメタネタとかあって原作、原作?ファンとしては盛り上がりました。お前そんなんだっけ?は彼しか言えない言葉すぎ。
バイクシーンはギュンギュン曲がるのと黒子さんとの連携あってて疾走感すごかった、こっちまで風を感じた。
後半は怒涛のヒーローショー。ヒーローショーも初体験だったんですけど楽しかったぁ。
攻撃の表現にポイを使っててなるほどなぁと思ったしテンション勝手にブチ上がった。メモリの切り替えもあるしエクストリーム出てくるしよく考えたら漫画オリジナルドーパント初立体化だしで凄いことだらけなのでは?
照井さんおるのに変身せんの勿体無いなぁと思ってたら後半にしっかり変身してくれた。ありがとう……
ちょうどライダー展と同時にやってたので両方見て楽しんでほしい作品だなぁと思いました。原作を知っている人も漫画だけ知ってる人も見て欲しかった作品!
『戦争と人形』観劇記録
花鳥風月《秋》22日と26日を観劇。
初雑遊。検索したらキャパ100ってあったけど実際もっとちったく見えた。つまりどこにいてもよく見えるよく聞こえる。
上下どっちに推しが来るか分からなかったからとりあえずセンター安牌と思って座ってました。
ただ最前列は背もたれがなくて己の背筋と戦うことになるので注意。
オケかかってたけどぬるっと来ないでください!!!!!!!!
2人が出てきて互い違いに置かれた椅子に座って始まるリーディング。
戦争中のどこかで人間と人形が会話する。人の心を無くした人間と人形。人形には心が宿ると人間は言う。人間は「君は君」と言うが人形は「僕は君」と言う。席が入れ替わると人間と人形も入れ替わる。
片方は「僕は人形だ」と言う。もう片方は「人形には心があるが君にはない、つまり君は人間だ」と言う。
どっちが何で誰なのか分からない目まぐるしさで脳みそぐわんぐわんしながら見てました。
最前列で見たので手の震えとかいろんな仕草とかよく見えてよかったです。
ただ急に笑われると刺さるからほんまにだめ、心臓に悪い。
公演終わって思い返してみて、人形に喋らせていることが本心なのか、はたまた自分が喋っていることが本心なのか分からなくて腹話術師の闇を感じた…役者が2名いるけど実際は1人と1体が鏡前で繰り広げているので闇がとっても深い。ありがとう。
1回目と2回目で人形役の方が違って、それに伴ってなかやまさんのアプローチも全然違って面白かった。1回目は普通のターンだったけど2回目はハイトーンだったりとか。ただ母上がちらちらしてたので高音はやめてほしすぎた…
腹話術師が人形になった時の告白?シーン、殺せないですぅから一転して淡々と羅列していくのでめちゃ怖最高でした。
役柄が心を失った人間なので、所々再ウスを彷彿とさせて繭期経由沼入りオタクは心の中で血の涙を流してました。沢山の星が輝く三日月の夜(ニュアンス)とかもうそれじゃん……君僕僕君してるじゃん……
とにかく2度見て2度美味い演目でした。またいつか近くでお芝居拝見したいなぁ
『レオポルトシュタット』観劇記録
10/20マチネ公演観劇。
初新国立劇場。名前は聞いたことあるけどどこにあってどんなのなのかよく分からなかったのでどきどきわくわくしながら行きました。(嵐さんのライブで名前聞くなぁと思ったけどあっちは国立でも競技場でした)
初台駅からほぼ直結、新宿からも歩いて30分くらいで着くので場所的にはすごいいいなぁと。あと中もめちゃくちゃ綺麗で座席も座りやすかった。初めてクッション置いてある劇場に出会ったかもしれない。いっぱい衣装が飾ってあったの、あれなんだったんだろ…26日行く時はちゃんと見てみます。
席は最前センター。アホかな?死ぬが?
段差が無いセットなので臨場感と没入感がやばい。1m先が別世界。なーたん登場シーンは近すぎてずっと手に爪立てて発狂を堪えてた。皆さんのコソコソ話とかカップが割れる実際の音とか煙草の匂いがめちゃ分かる最高の席でした。課金ってっょぃ。(じあとれで取りました、転売じゃないょ)
以下あらすじ
20世紀初頭のウィーン。レオポルトシュタットは古くて過密なユダヤ人居住区だった。その一方で、キリスト教に改宗し、カトリック信者の妻を持つヘルマン・メルツはそこから一歩抜け出していた。街の瀟洒な地区に居を構えるメルツ家に集った一族は、クリスマスツリーを飾り付け、過越祭を祝う。ユダヤ人とカトリックが同じテーブルを囲み、実業家と学者が語らうメルツ家は、ヘルマンがユダヤ人ながらも手に入れた成功を象徴していた。しかし、オーストリアが激動の時代に突入していくと共にメルツ家の幸せも翳りを帯び始める。大切なものを奪われていく中で、ユダヤ人として生きることがどういうことであるかを一族は突き付けられる......
ストーリーの通り海外戯曲で、取り上げられているテーマはわりと重たい。私の産まれるずっっと前の時代を生きたヘルマン一族を辿っていくおはなし。
最初の始まりはクリスマスで団欒から希望や幸せが伝わってくる。ヘルマンと奥さんのやりとりにキュンとして子供たちのダンスに癒される。いやぁやっぱりちびっ子はかわいいねぇ…おじさんなんでも買ってあげる…
急に下手でヨセフとかファラオって聞こえちゃったから思わず脳内が日生に戻った。DVD化まだですかね?
コメディチックな中でも節々にずれや差別が見え隠れする。私はこの辺に明るくないので表面上でしか感じれなかったけどもっと背景知識入れてたらぐっと深くなるんだろうなぁと。
時代は変わってヘルマンの子供たちの時代。ここに来て家系図読み込んでおいた方がいい意味が分かった。みんな成長してるから分からんのよ。誰がどの子か呼び方とか見て必死に把握してた。成る程君があの時のちびっ子ね……名札首からかけて……
ここで初めてなーたんの名前(後述するけど私の推し)が出てくる。赤ん坊のなーたんに対して割礼の儀式を行う中のドタバタな一幕、多分ここが1番わちゃわちゃしてて楽しい気がする。
やっぱりここでもずれがあって時は経ってもまだ無くならないものを楽しい中でちくりと感じさせられる。
そしてきましたなーたん登場シーン。私の中でここまでもサビ、こっから大サビ。会いたかったよ私の推し、あつむ振りだね……
ッッッッッかわいいな!!?!!?!
聞いてない聞いてないセンター奥から正面まで走ってくるとか聞いてない。ベリーキュートな青年来たが?????????
なーたんの無垢が抜け切ってないあの感じ、ほんまに可愛かった…レオとあやとりしてるシーンほんわか胸があったかくなった。両手でマグカップ持ってるのも可愛いポイント高い。
のにさぁ!?急にドン底に落とすじゃん!!?!!?!やめてくれません!?!?!!
どうしたって抗えない状況を突きつけられ、恐怖と絶望が一瞬でその場を満たしていって、震える子供たちを必死で慰める大人たち。なーたんも妹たちをぎゅっと守ってたり怪我をしたレオを心配して周りをウロウロしてたり、下の子を大切に思ってるのが伝わってきて胸がぎゅっとなったのと同時にこの後を考えてずーんと気持ちが重くなった。
これは辿るおはなしなので何もできることはなくて、ただ見ていることしかできないのが悲しかった。
そして時は流れ第五幕。
上手から現れるなーたんの長台詞からはじまる。
凛とした姿勢で淀みなく劇場に声を届けるたなかくんに思わず泣きそうになった。なーたんからなのかたなかくんからなのか、もしかしたら両方かもしれない。強い意志と気迫がストレートに伝わってきた。
割と低くて篭りがちな声質なのに、今日聞いた声は今年見たどの舞台よりも綺麗にはっきりしてた。
別に今年の舞台が下手だったとかじゃなくて、8月に見た時よりも短期間でぐんと成長してたのを感じた。知ってから1年そこらで演劇もしたことない奴が何言ってんだよと思われそうだけど私はそう思ってしまったんだもん。
第五幕の主役、物語の重要な人とも言える役をオーディションで勝ち取り、板の上に立ってたたなかくんは同い年なのに私よりも凄くキラキラしててカッコよかった。ずるい。
笑いが慟哭に変わるシーン、感情の移らせ方が上手くて惹き込まれた。巌窟か何かでおじさんが「笑いの演技がうまい奴はすごい(ニュアンス)」的なことを言ってて、成る程こういうことか…と個人的に納得してしまった。不自然さの欠片もないくらいめちゃくちゃナチュラルに笑ってた。あっこだけあと150回は見たい。
ラスト、ローザが過去を思い出すシーンで終わるんだけど、もしかしてこの"レオポルトシュタット"という物語を全て知っているのはもう彼女だけ?という事に終演後気付いてしまい鳥肌と悲しみが止まらなかった。
パンフレットに見る前と後で気持ちが何か変わってればいいみたいなこと書いてあったけどまさしくそうなってしまい、つくづく単純な人間だなぁと思いました。
アフト回も観に行くのでわくわくしてます。
『夜の女たち』観劇記録
9/17(土)マチネ公演観劇。
初別都市、初KAAT。
会場すっごく綺麗で椅子もふこふこ。2時間40分(休憩有)だったけどお尻も背中も全く疲れませんでした。先週福コネで腰いわしてた身には沁みた…
会場にレストラン併設されててご飯に迷ったらここで食べれば解決。至れり尽くせり。
以下あらすじ
戦後すぐの大阪、釜ヶ崎。「日没後、この付近で停立または徘徊する女性は闇の女と認め、検挙する場合があります」と札が立っている。大和田房子は焼け出された後、病気の子を抱えて困窮していた。夫は戦地からまだ帰っておらず、両親や妹・夏子は終戦を迎えたものの消息不明になっている。姑や義理の妹・久美子と同居しながら、着物を売り払ってなんとか暮らしている。そこに届いたある知らせに絶望する房子。その後、ダンサーとなった夏子と偶然再会する。房子、夏子、久美子、3人の女たちの壮絶な人生と、凄まじい生命力を描いた人間ドラマ。
まず生バンドと歌に圧巻された。M01の歌い出しで鳥肌ぶわぁなった。やっぱり生観劇は最高ですね…
あとミュージカルなだけあって音楽が途切れない。基本的にBGMはほとんど止まらないで喋りながら歌に入ったりする。お芝居しながら歌いながらお芝居する。凄い。
朗らかな曲調なのに重かったり、リプライズが多かったり、歌とセリフの区別が曖昧だったり、そのちぐはぐさがまた作品を面白くさせてたのかなぁと思います。
あと曲の話でいくと下手側の楽器がすごい好きだった。
戦後間もない時代のどん底の大阪。どろどろしてずんと重い空気だけどそれでもギラギラした熱を持った思いを捨ててない女たち。カロリー消費が激しいけどずっっと観ていたくなる。ラストシーンは暗いけど決意がこもっていて、これからの3人の生きる道が凛としたものなような気がした。
モノトーンのセットと対比したようなカラフルな衣装。最初はモンペを着てた房子も久美子もニュールックの衣装に身を纏っていた。でもそれは夜の女に身を落としたから。純潔を脱ぎ捨てたから。そう考えると重い気持ちになる。
ところで私がこれ観に行った1番の理由ってよしくん出てるからなんですけど、5ヶ月振りのよしくん最高でした。男性が少ない分声がよく聞こえるし、ネームレスが多いので出番も多い。警察官だったり町の住人だったり監視人だったり。個人的に好きなのは監視人で、「いや金取るんかい」の台詞は秀逸でしたね…
お話が重い分基本的に仏頂面だったけどダンスシーンでニッコニコの笑顔のよしくん見れて心が浄化されました……推しと推しのダンスは万病に効く……
ターン1回+ジャンプで下手にはけてったときは変な声出るかと思った。
上からミラーボール降りてきた時(おっファラオか?)って思ってしまったのは反省。
ラスト、圧巻なんだけど登場シーン完全に新宝島だよねあれ。絶対そう。みんな思ったはず。
あと狩ちゃんいませんでした?
『あつい胸さわぎ』観劇記録
8/4ソワレ
初スズナリ。とりあえず8公演見るんですけど初日の感想書き殴り。
まず雨!!!!!!!!!!!!ゲリラ豪雨どころじゃないレベルの大粒の雨に降られながら会場向かいました。びっちゃびちゃ。ある意味忘れられん。
座ったのはA列。割とめちゃ近かったです。XA列に座る予定もあるんですけど子供椅子すぎて笑った。これに座るんや私…
セットは白くて丸くて前の写真で見た赤い糸とは正反対。シンプルですごい綺麗だったけど長時間見てたら目がいかれそう。
↓あらすじ↓
小説家を志して、芸大に進学した千夏(平山咲彩)と、縫製工場で働く母・昭子(枝元萌)。決して裕福ではないが、笑いの絶えない母娘の二人暮らし。その裏には、小さなわだかまりが横たわっているが、そこに触れないことが暗黙の了解となっている。あるとき、昭子の会社に中途採用でやってきた木村(瓜生和成)からの提案で、サーカスを観に行く約束が交わされた。ひょんなことから、千夏の幼馴染で、密かに思いを寄せる光輝(田中亨)と、昭子の同僚で、千夏が憧れる女性、透子(橋爪未萠里)もサーカスに同行することに。大学入学時に受けた健康診断が再検査となり、不安のあった千夏だが、このサーカスの日に光輝と話せた内容が特別に感じられ、清々しい気持ちでいる。また、昭子は昭子で、木村を意識しはじめていた。今、二人の胸は高鳴り、色めき立っている。
以下感想。
舞台は関西。春から芸大に通う千夏と母を中心に進んでいく。初っ端で関西弁…芸大…阪芸大…?演劇科……?っていらんことがずっと頭ん中ぐるぐるしてました。こうちゃんもしかしてよしくんの後輩?
千夏ちゃんとお母さんの関係が親子ってより友達?姉妹に近く感じて自分とオカンを重ねながら見てしまった。あの距離感になると本当に言いたいことってなかなか言えんくなるよね、お母さんの恋愛話とか聞きたくないよねぇ…ってめちゃくちゃに共感した。お母さんがずっと千夏ちゃんのこと小さい子みたいに見てんのすっごいイライラしてしまう。
とこさんはほんまにええ女の人やった。真面目で、チャーミングで、大人で子供。こうちゃんのほっぺぺちするところは大人のお姉さんなのにこうちゃんの袖ちょんって引っ張るのは高校生みたい。早よ大人になりたくて走りすぎて、制服を脱ぎきらんかったんかなぁ、と。
千夏ちゃんの初恋の話を聞いてディープピンクの照明に照らされてた時、あの背中はどんなことを考えてたんだろう。千夏ちゃんのように恋愛経験のない自分には分からんかったです。後単純に男運がない。がんばれ。
こうちゃんはさ〜〜〜〜〜!!!!いっぺんまじで千夏ちゃんに殴られてほしい。いやむしろ私が殴ります!!!!!!!!
シュッとしてて美男子で千夏ちゃんの好きな人やのによういらんこと言うし田中くんそんな役多くないです?気のせい?
千夏ちゃんと違って今まで普通に恋愛とかしてきたんやろなぁって思える人だった。サーカスの時こうちゃん段々ととこちゃんに距離詰めていって連絡先交換する時もじっととこちゃん見てて好きになったの分かりやすすぎて笑ったけどその後の誘い文句18から出てくるかね普通。どうした?
千夏ちゃんが失恋したって聞いた時どう思ったのか、これからこうちゃんは千夏ちゃんとどうなるのか。多分このまま微妙な距離なんだろなぁ…
あとさぁどのタイミングか忘れたけど立ち姿と照明が相まってヒロシみたいなこうちゃんおった。スーパーヒロシタイム。
23歳の田中くんが演じるこうちゃんは19歳の田中くんが演じるのとまた違うんやろなあと思いながら初演DVD買ったので今度観ます。
この後手術は成功するのか、みんなの関係性はどうなったのか。あえて描かない余白だと思うんですけどあったかいようなモヤモヤするような。
少なくとも千夏ちゃんととこちゃんの間には微妙な雰囲気が流れてそのまんま疎遠になりそう。天秤にかけてこうちゃんとの事を無しにしてるから、きっととこちゃんの罪悪感の方が強い。千夏ちゃんは落ち着いたら割と吹っ切れそうなんだけど…うーん…みんな幸せになって…キムーラはあかんで。
余談ですが、どうやら私がぱちで好きになる男はいゆりさん(の役)に惚れてしまうらしい。ソースは白波とあつむ。
あと7公演あるので色んな面から観たいなぁ。
あと7回もホテルのくだりみるんかぁ
『雨降る正午、風吹けば』観劇記録
7/17秋組観劇記録。
公式サイトからあらすじ引用↓
「死して尚、生きるものがある」
昭和四年(1929年) 日本。小説家 “坂本治郎”はまだ幼き頃、自身が原因となり愛する母親を事故で失う。それ以来、母の亡霊の呪いに苦しめられていた。
大人になった彼は己の贖罪(しょくざい)を書き綴った連載小説
【雨降る正午】の連載を始めたのだった。
とある梅雨の日。関東大震災によって家族を失った少女と出会い、治郎は家族の温もりを求め、少女に“風子”と名前をつけ、生きる業を与えた。風子は周囲の人々の優しさもあり、徐々に心を開き、人として歩みだす。
それから数年後。治郎は結核に襲われ、来年の春を迎えることが難しいことを告げられる。
これは、《何を遺すか》の物語。
初王子小劇場、最初思わず通り過ぎるレベルで見つけにくかったです。並んでる人おらんかったら分からんかった…
整理番号順に並んで入場→SとAごとに自由席だったけど時間2分前に列形成しだして揃い切らないまま入場開始、結果番号早いお客さんと揉めてたのを見たのでそこは改善すべきだと思う。
以下内容含む感想。
舞台は元々三好さん経由で知って、内容も面白そうなので見に行きました。ただ、期待値を高くしすぎちゃったのもあってあんまり自分には刺さらなかったかなぁ。
私は死んで遺せるようなものは何も持っていないのであまり共感出来なかったのかな…この舞台をきっかけに何かを残せる人間に少しでもなれたらいいなぁと焦りみたいな感情はちょっと芽生えた。私は何も取り柄のない友人も少ない愚かな人間なので…
追記:多分私に刺さらなかった理由として、この物語を"坂本治郎"の物語だと思ってたのがあると思う。これを"雨降る正午、風吹けば"として見たらまた何かが変わってたのかもしれない。そう思う。
三好さん、生に無頓着な役が似合うというか儚いというか…流石過去作で亡霊だの概念だのやってただけありますね。触れたら霧のように消えてしまいそうな、底知れぬ深い闇のような雰囲気がすげぇ……もしかしてほんまに坂本治郎だったりしますか?(?)
「かあさん、おかあさん」と坂本が語りかけ、「何のために生きるのか」と問う、彼を縛る罪として出てくる母。このシーンの度に絶対違うからね⁉︎マッマ絶対そんな意味で言ってないから!お母さんは子供が大切に決まってるでしょ!!!!!(クソデカ感情)ってなってた。坂本は自分の犯した罪を忘れないように母の亡霊を見てたんだろうけど…でもそうだよね…子供の頃に自分のしたことでお母さん亡くしちゃったらそうだよね…でも許されていいんだよ…めそめそ……
チャンバラ、あれアドリブなんですね。他の方のレポ見て知りました。私が行った回は会場中に響き渡る全力ケツしばきでした。めっっっちゃ良い音だったからそこだけ集めたディスクください。
永井と柳コンビ、いいんですよ…凄く仲がいい上司と部下でお互いを信頼してるのがひしひし伝わってきました。
周りが最後の手紙で啜り泣く中私が1番泣きそうになったのは柳が徴兵されて幸恵さんに一礼するシーン。劇中で柳は幸恵さんに想いを寄せていた描写があったので、最後はいい感じになると思ってたのに…
時代が時代なので登場男性の中で唯一健康な柳が徴兵されるのは仕方のない事だけどそこだけが気掛かりでならない。世の中は無情や…
柳が最後赤い光が差す方へ向かうの心が痛くて堪らなかった、どうか無事に帰ってきて。
三好さんの大人と子供の演じ分けもすごい。お母さんとの回想シーンを演じるのは29歳の三好さんなんだけどそこには子供の頃の坂本がいた。いたもん……子供の純粋無垢な瞳とちょっと舌足らずな喋り方が可愛かったです。so cute…
まあこの後に彼を縛る罪が生まれるんですけどね。
段々結核の症状が酷くなる演技も本当にリアルで私まで苦しくなりました。もしかして喘息経験者だったりします…?ってレベルで呼吸器よわよわ演技が最高だった。三好さん薄命の役が似合うんですね…
四季を抜け、春を迎えることができなかった坂本、そんな彼が桜を見て微笑むシーンは美しすぎて。これが宗教画なんですね…って顔になった。和装×花吹雪は刺さるからダメだぞ!
最後、風子が綴るとき坂本がいたポジションはお母さんと一緒でもしかして風子も縛られて生きていくの…?とちょっとだけ怖くなったけどきっと坂本は見守ってくれる。はず。
最後てっきり坂本は壇上で死を迎えると思ってたけど違った。猫みたいに自分の死を他人に見せなかった。彼は彼らしく最後まで生きたんだなぁ。最期に風子ちゃんから貴方の家族で良かったって言葉聞けて良かったね、死してなお生きるものが、遺したものがそこにあった。
一個だけ疑問だったのは、診療所をやっている幸恵と風子が結核に罹らなかった点。これは私の知識が足りない部分もあると思うけど、患者と一番接するはずなのに元気なのは何故?と思ってしまった。
個人的にはまらなかっただけですっごく素敵な作品なので知り合いに勧めたいと思いました。
『カクテルジプシー』感想
6/18マチネ公演観劇
会場はレンタルバーみたいな場所でほんとにこぢんまりとしたスペース。席数もざっくり数えた感じ20くらいだったのでほんまに小規模!って感じでした。基本的におっきい箱のばっかり行ってたのであの規模感はすごく新鮮だった。
席はC1で場所的にはカウンター真正面。多分これは神席だったと思う。この公演しか行かないので分かんないけど多分そう。最後くらいの親子のシーン目の前でしたもん。神。
以下本編感想
ストーリーが進むにつれこれ絶対時間軸混ざってるやつだな…と感じながら見てました。ママとアンジェロが出てくるところが過去で範田と阿部井が現在。混ざる時はライトの照らし方で区別されてた。まあそれが分かっててもラストの展開までは見抜けなかった間抜けですけどね!
物語の中で1番好きなのは全てを知った上でラストにリフレインする冒頭のシーン。帽子を脱いだ後の台詞や口調のひとつにも伏線が張ってあったのか…と鳥肌が立ちました。もしかしたらわざと強調した口調にしてる可能性もあるんですけどそれでもやっぱり凄かった。範田がジプシーしか作れない理由もちゃんとあって涙出るかと思った。
一人でずっと守ってたんだね…最後の最後に浮かべた泣き笑いにオタクは殺されました…星璃さんのあの表情に弱いんだ……(スペカルロオタク)
その他にも狭い箱だからこそできる演技(マイクを通さない小声や吐息)、静と動の緩急の付け方はあの場でしか体験できないものだった。ほんとに観客がバーの壁になってそこで起きた出来事を全て見てる感じ。
これは色んなキャストさんが言うようにもう一回見たくなる作品だな…と思いました。都合で一回しか見れなかったのが悔やまれるところ。
またこういう舞台あれば見に行きたいな!ぴーすぴーす!
公演終わってカオスbar動画摂取したのは内緒な!