シャボニカ日記帳

ただの日記です

『レオポルトシュタット』観劇記録

10/20マチネ公演観劇。

 

新国立劇場。名前は聞いたことあるけどどこにあってどんなのなのかよく分からなかったのでどきどきわくわくしながら行きました。(嵐さんのライブで名前聞くなぁと思ったけどあっちは国立でも競技場でした)

初台駅からほぼ直結、新宿からも歩いて30分くらいで着くので場所的にはすごいいいなぁと。あと中もめちゃくちゃ綺麗で座席も座りやすかった。初めてクッション置いてある劇場に出会ったかもしれない。いっぱい衣装が飾ってあったの、あれなんだったんだろ…26日行く時はちゃんと見てみます。

席は最前センター。アホかな?死ぬが?

段差が無いセットなので臨場感と没入感がやばい。1m先が別世界。なーたん登場シーンは近すぎてずっと手に爪立てて発狂を堪えてた。皆さんのコソコソ話とかカップが割れる実際の音とか煙草の匂いがめちゃ分かる最高の席でした。課金ってっょぃ。(じあとれで取りました、転売じゃないょ)

 

以下あらすじ

20世紀初頭のウィーン。レオポルトシュタットは古くて過密なユダヤ人居住区だった。その一方で、キリスト教に改宗し、カトリック信者の妻を持つヘルマン・メルツはそこから一歩抜け出していた。街の瀟洒な地区に居を構えるメルツ家に集った一族は、クリスマスツリーを飾り付け、過越祭を祝う。ユダヤ人とカトリックが同じテーブルを囲み、実業家と学者が語らうメルツ家は、ヘルマンがユダヤ人ながらも手に入れた成功を象徴していた。しかし、オーストリアが激動の時代に突入していくと共にメルツ家の幸せも翳りを帯び始める。大切なものを奪われていく中で、ユダヤ人として生きることがどういうことであるかを一族は突き付けられる......

 

ストーリーの通り海外戯曲で、取り上げられているテーマはわりと重たい。私の産まれるずっっと前の時代を生きたヘルマン一族を辿っていくおはなし。

 

最初の始まりはクリスマスで団欒から希望や幸せが伝わってくる。ヘルマンと奥さんのやりとりにキュンとして子供たちのダンスに癒される。いやぁやっぱりちびっ子はかわいいねぇ…おじさんなんでも買ってあげる…

急に下手でヨセフとかファラオって聞こえちゃったから思わず脳内が日生に戻った。DVD化まだですかね?

メディチックな中でも節々にずれや差別が見え隠れする。私はこの辺に明るくないので表面上でしか感じれなかったけどもっと背景知識入れてたらぐっと深くなるんだろうなぁと。

 

時代は変わってヘルマンの子供たちの時代。ここに来て家系図読み込んでおいた方がいい意味が分かった。みんな成長してるから分からんのよ。誰がどの子か呼び方とか見て必死に把握してた。成る程君があの時のちびっ子ね……名札首からかけて……

ここで初めてなーたんの名前(後述するけど私の推し)が出てくる。赤ん坊のなーたんに対して割礼の儀式を行う中のドタバタな一幕、多分ここが1番わちゃわちゃしてて楽しい気がする。

やっぱりここでもずれがあって時は経ってもまだ無くならないものを楽しい中でちくりと感じさせられる。

 

そしてきましたなーたん登場シーン。私の中でここまでもサビ、こっから大サビ。会いたかったよ私の推し、あつむ振りだね……

 

ッッッッッかわいいな!!?!!?!

聞いてない聞いてないセンター奥から正面まで走ってくるとか聞いてない。ベリーキュートな青年来たが?????????

なーたんの無垢が抜け切ってないあの感じ、ほんまに可愛かった…レオとあやとりしてるシーンほんわか胸があったかくなった。両手でマグカップ持ってるのも可愛いポイント高い。

のにさぁ!?急にドン底に落とすじゃん!!?!!?!やめてくれません!?!?!!

どうしたって抗えない状況を突きつけられ、恐怖と絶望が一瞬でその場を満たしていって、震える子供たちを必死で慰める大人たち。なーたんも妹たちをぎゅっと守ってたり怪我をしたレオを心配して周りをウロウロしてたり、下の子を大切に思ってるのが伝わってきて胸がぎゅっとなったのと同時にこの後を考えてずーんと気持ちが重くなった。

これは辿るおはなしなので何もできることはなくて、ただ見ていることしかできないのが悲しかった。

 

そして時は流れ第五幕。

上手から現れるなーたんの長台詞からはじまる。

凛とした姿勢で淀みなく劇場に声を届けるたなかくんに思わず泣きそうになった。なーたんからなのかたなかくんからなのか、もしかしたら両方かもしれない。強い意志と気迫がストレートに伝わってきた。

割と低くて篭りがちな声質なのに、今日聞いた声は今年見たどの舞台よりも綺麗にはっきりしてた。

別に今年の舞台が下手だったとかじゃなくて、8月に見た時よりも短期間でぐんと成長してたのを感じた。知ってから1年そこらで演劇もしたことない奴が何言ってんだよと思われそうだけど私はそう思ってしまったんだもん。

第五幕の主役、物語の重要な人とも言える役をオーディションで勝ち取り、板の上に立ってたたなかくんは同い年なのに私よりも凄くキラキラしててカッコよかった。ずるい。

笑いが慟哭に変わるシーン、感情の移らせ方が上手くて惹き込まれた。巌窟か何かでおじさんが「笑いの演技がうまい奴はすごい(ニュアンス)」的なことを言ってて、成る程こういうことか…と個人的に納得してしまった。不自然さの欠片もないくらいめちゃくちゃナチュラルに笑ってた。あっこだけあと150回は見たい。

ラスト、ローザが過去を思い出すシーンで終わるんだけど、もしかしてこの"レオポルトシュタット"という物語を全て知っているのはもう彼女だけ?という事に終演後気付いてしまい鳥肌と悲しみが止まらなかった。

パンフレットに見る前と後で気持ちが何か変わってればいいみたいなこと書いてあったけどまさしくそうなってしまい、つくづく単純な人間だなぁと思いました。

アフト回も観に行くのでわくわくしてます。